DIARY

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前の日          2009年8月1日(土)           次の日

天気体調気分出費
 曇り   普通   寂しいぞ   \0 
出発地終着地走行距離走行距離(合計)
 Jさん宅   Jさん宅   0km  12751km 

108日目・北海道(利尻島) 〜昆布バイト10日目・朋ちゃんとの別れ〜

2時半に起きたが、誰も起きていなかった。だから今日は昆布干しはなし。

よかった。正直昨日の疲れと、酒がきいてか体がだるかった。

そしてまた2度寝。




5時半に起きると朋ちゃんも起きていた。

どーやら、最後の朝飯食べて、10時のフェリーで一回礼文島寄って帰るらしい。

最後だからと、朝からまた少しウニを食べた。あいかわらずうまいぞこのヤロー!!

飯食べたあと、朋ちゃん以外のバイト3人は昨夜の乾燥機にかけた昆布の撤去作業をひたすらやる。




そして9時くらいになり、朋ちゃんが近所の人に挨拶し終わり戻ってきた。

最後に父さん、母さんと、このバイト4人で写真を撮ろうと決めていたのでみんなで家の玄関の前で撮る。

今日は残念ながら曇りだから利尻富士は隠れて見えなかった。

けどこのどんよりした天気のせいで余計寂しさが増すぞ。




そして写真を撮った後まだ島に残るバイトの男3人でじゃんけんをした。

勝った人が、最後に朋ちゃんをフェリー乗り場まで見送ることになる。

そしたら見事僕が勝ち、母さんと朋ちゃんを鴛泊のフェリー乗り場まで乗せて行くことに。




車に乗り込み、ここでで残った、父さん、バイトの池さん、寺さんは朋ちゃんとお別れ。

みんな笑顔で別れた。

やっぱ笑顔で別れないとね。




けど走り始めすぐに助手席に座っている、朋ちゃんの様子がおかしいことに気がついた。

朋ちゃんはボロボロ涙を流して泣いていた。




僕はそれを見た瞬間、「本当にお別れなんだ。」と改めて実感してすごく胸が苦しくなった。

今まではお別れといっても正直実感なくて、たった1週間だったけど、同じ屋根の下でずっと暮らし、朋ちゃんのことをいて当り前の存在だと思っていた。




それが今日、朋ちゃんはこの島を一人で去る。




鴛泊のフェリー乗り場につき、出航時間まで朋ちゃんはお土産を買ったりしてフェリー乗り場の近くで待っていた。

母さんは「フェリーに朋ちゃんが乗った時点でお別れにしましょう。」と言っていた。

フェリーの別れとはとにかく辛い。

飛行機や車、電車とかなら「あっという間」に去ってしまうからいいが、フェリーはゆっくりゆっくり去るから、それをずっと見ているのが辛くて辛くてしょうがないのだとか。

僕もフェリーのお別れはしたことないのだが、たしかに一番つらいのはフェリーだと思っていたから何も言わなかった。




そしてついに朋ちゃんの口から「では・・・。」という言葉が。

ついにお別れだ。




僕は朋ちゃんの去る後ろ姿をカメラで撮っていた。

そしたら母さんが近づき、僕にはよく聞こえなかったが、何か一言、二言朋ちゃんに言葉をかけた。




その瞬間朋ちゃんの目から大粒の涙が。

母さんも泣いている。

そして二人は抱き合いながら、お互い顔をグシャグシャにしながら泣いた。




あとあと思ったが、まさにその感動的な場面をカメラで撮ればよかったのだが、そんなカメラの存在なんか忘れるくらい僕も一生懸命だった。

泣きそうになるのをずっと我慢してこらえていた。

辛くてしょうがなかった・・・。




そして僕も朋ちゃんと握手をした。

たった約1週間だったけど、朋ちゃんに会えてよかった。旅をしなければ出会えなかった。

そう思うとやはり僕は旅に出てよかった。




朋ちゃん、いい人生を送れよ!!




また会おう!!






ありがとー!!






朋ちゃんがフェリーに乗り込むのを見届けると、僕と母さんは出港まで待たずにその場を去った。




この僕がお世話になっている家は、もうかれこれ10年近く同じように、この時期住み込みのバイトのコたちを雇っているらしい。

今までにいろんな子がいたし、色んな出会いや別れがあったらしい。

だけども何度も別れの場にいても、これだけは慣れることはないと、母さんは帰りの車の中で言っていた。




気付けば僕もこの家の一員になっていた。

そしていつか僕も同じくこの島を去るときがくる。




そのとき僕はどんな別れをするのだろう。

そして僕は何を思うのだろう。




帰ってきてフッと何気なくカレンダーをみたら「8月1日」の文字が。

そうか。今日から8月なんだ。

もう真夏だ。




いつもだったら、地元栃木は35度以上、いや40度くらいの気温で死にそうになっている時期だ。

しかしこの島は全然暑くない。今日も気温は18度くらい。




いつもと違う夏。

僕はこの島で色んなことを経験させてもらっている。

そして、そんな島の生活も少しづつ慣れてきたと思う。






だけど別れだけは慣れないな・・・。







辛いや。




ふぁみりー